【Python】辞書内包表記の使い方

Pythonの辞書内包表記（dictionary comprehension）の使い方について解説します。

Contents

1 辞書内包表記（dictionary comprehension）
- 1.1 辞書内包表記の使い方
- 1.2 辞書内包表記の特徴と注意点
2 まとめ

辞書内包表記（dictionary comprehension）

Pythonにおける辞書内包表記（dictionary comprehension）は、既存のリストや辞書などのイテラブルなオブジェクトから新たな辞書を作成する際にシンプルに記載するための定義方法です。

この記事では、辞書内包表記の基本的な使い方について紹介します。

辞書内包表記の使い方

辞書内包表記の構文は以下になります。

辞書内包表記

{キー: 値 for 仮変数 in イテラブルなオブジェクト if 条件}

上記の意味合いとしては、イテラブルなオブジェクトから要素を順番に仮変数に取得し、条件に一致するものを使って、キーと値を持つ辞書を作るということになります。

既存リストから辞書を作成する場合

既存のリストから辞書内包表記を使って辞書を作成する場合は以下のようにします。

# キーと値のそれぞれのリストから辞書を作成する例
keys = ["k1", "k2", "k3", "k4", "k5"]
values = [10, 20, 30, 40, 50]

data = {k: v for k, v in zip(keys, values) if v >= 30}
print(f"data: {data}")

【実行結果】
data: {'k3': 30, 'k4': 40, 'k5': 50}

上記例では、keysとvaluesというキーと値のそれぞれのリストが既に用意されている状況で辞書を作成する例です。keysとvaluesから順にk、vに値を取り出し、値vが30以上のものを使って辞書を作成しています。

複数リストからまとめて値を取り出す際にはzipを使用しています。zipについては「zipを用いたfor文の使い方」を参考にしてください。

既存リストから辞書内包表記を使用しないで記載する場合

辞書内包表記は、通常のfor文で書き換えることが可能です。

# キーと値のそれぞれのリストから辞書を作成する例
keys = ["k1", "k2", "k3", "k4", "k5"]
values = [10, 20, 30, 40, 50]

# 内包表記を使わない場合
data = {}
for k, v in zip(keys, values):
    if v >= 30:
        data[k] = v
print(f"data: {data}")

既存の辞書から新しい辞書を作成する場合

既存の辞書から辞書内包表記を使って辞書を作成する場合は以下のようにします。

# 辞書から新しい辞書を作成する例
d = {"k1": 10, "k2": 15, "k3": 20, "k4": 25, "k5": 30}

data = {k: v for k, v in d.items() if v % 2 == 0}
print(f"data: {data}")

【実行結果】
data: {'k1': 10, 'k3': 20, 'k5': 30}

上記例では、既存辞書から順番に値を取り出し、偶数の要素を取り出して新しい辞書を作成しています。itemsメソッドを使用して順にk、vに値を取り出し、2で割り切れる要素を使って辞書を作成しています。

辞書のitemsメソッドについては「辞書（dict）の内容を列挙して扱う方法」を参考にしてください。

既存の辞書から辞書内包表記を使用しないで記載する場合

辞書内包表記は、通常のfor文で書き換えることが可能です。

# 辞書から新しい辞書を作成する例
d = {"k1": 10, "k2": 15, "k3": 20, "k4": 25, "k5": 30}

# 内包表記を使わない場合
data = {}
for k, v in d.items():
    if v % 2 == 0:
        data[k] = v
print(f"data: {data}")